左麻痺と右麻痺、どちらが回復しやすいか


 救急病院で妻が病院スタッフに言われた言葉です。「御主人は左手が麻痺していますから回復は難しいかもしれませんね」
 
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これは『左手が麻痺しても利き手の右手が使えるから麻痺手への関心が薄くなり、面倒な訓練に意欲が減少するから回復し難い。右手が麻痺した人は多くのことが出来難いから必死で右手を動かそうとする。だから回復し易い。』という意味です。

 確かに右手だけの動作で多くのことが出来るから意識が朦朧としていた発病当初は不自由を感じなかった。しかし、意識が戻ると共に片手動作の不自由さを感じると共に、麻痺手を何とかしないと生活できなくなるとの不安が心を締め付けるようになった。だから右手で麻痺手を動かす努力を続けたのです。

 そして回復期の病院では「右手だけで出来るような訓練をしましょうか」と戸療法士に言われたが即座に断って麻痺手の訓練だけをうけた。このことが麻痺改善を可能にしたのです。あの時に片手動作の訓練だけを受けていれば麻痺手は動かないままだと思う。

 このように発病当座に片手動作に不自由を感じる人もいる。また必死に麻痺した利き手を動かそうとする患者様も多い。この時期に麻痺手の訓練を指導するのが医師・療法士の役割のはずである。であるのに「麻痺手は訓練しても元に戻らない」と患者を言いくるめる病院が多いのは耐え難い悲しみです。

 「障害されなかった機能の向上」などは詭弁です。「障害された機能の向上(改善・回復)」がリハビリではないでしょうか。「片手動作の訓練」も「利き手交換の訓練」も「障害されなかった機能の向上」であって、「障害された機能の向上」ではない。

 人間は両手を使う動物である。そして世の中は両手を使うことを前提として出来上がっている。だから片手動作の訓練や利き手交換の訓練をしても、両手が使えないと不自由極まりないのである。リハビリ業界には、旧態然とした麻痺側への非アプローチの考えと、積極的に麻痺側にアプローチする考えが併存しているように思う。

 私も麻痺側への非アプローチの考えは理解できるが、この場合であっても、緊急避難として考えるべきであって、訓練室ではあくまで麻痺側にアプローチする訓練を行い。非アプローチの訓練は自主訓練させるべきだと考える。

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