パソコンのキーボードは両手のリハビリになります

 従来型の麻痺側に対するリハビリテーションは、誰かに動かしてもらうのが常で、完全に受身の運動である。

 こうした従来型のリハビリテーションに対して、何か目的をもった運動に、強制的に麻痺側を用いるようにしたほうが、神経細胞の再配列を促し、リハビリテーションの効果があがるという意見がある。

 脳の可塑性を促す方法として紹介されているのが「課題志向型アプローチ」と呼ばれている方法で、これは単なるトレーニングを行わせるだけでなく、患者に多くの課題を含む積極的な訓練プログラムを行ってもらうものである。

 こうした課題は麻痺側にかなりの運動制御を要求するため、大脳皮質の再構成を協力に促すと考えられている。

 この考え方に沿ったものとして、作業療法の訓練室では、指のタッピング・消去課題・硬貨を裏返す・迷路・ネジを締める・物体の移動などを行わせる。

 病棟では、両手で顔を洗ったり、両手でタオルを持って顔を拭いたり入浴の実際を介護者付きで試させたりといった動作に積極的に麻痺側を用いるよう患者に促すこと。

 あるいは病棟の廊下には手すりを設けて、ベッドサイドトイレではなく、トイレまでは自分の足で歩いてもらうようにすることなど、私が入院した回復期リハビリテーション病院では、効果が出ている。


 私が入院した病院の作業療法室にはパソコンがあった。僅かに麻痺の手が動きかけたときに、担当の作業療法士さんに聞いてみた。「PCを触る練習が出来ないか」と。

 そして数日後に短時間の練習を許されたのです。

 今考えるとまさしく「課題志向型アプローチ」を頼んだことになる。
 
 そう言えば麻痺を起こしたジャズピアニストがたまたま訓練室にあったピアノを弾きたくて鍵盤上で指を動かしていると麻痺手も動くようになってプロとして復帰した話を退院後に聞いた。

 指の動きが小脳に記憶されていたから可能だったのです。

 
 作業療法での調理実習でも片手動作を教えるのではなく、両手での実習を行うべきだと思うのだが、CI療法で有名な大学病院でも片手での調理実習をしていると聞いて驚いている。もちろん全く麻痺手が動かない人のための一時凌ぎのためならば仕方がないのだが。

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