両手を使うのは偉大なる挑戦だ


娘が私の手を握って言いました「どうか動きますように」

帰ったあと、麻痺の左手を右手で掴んで膝の上に置き、右手を左手と揃えて上向きで並べました。
 両手を見つめながら思いました。『左手はどうして動かないのだろう。どうすれば動くようになるのだろう』。

 右手をゆっくり握りながら、左手を同じように握るつもりで動かそうとしました。当然動きません。
 『何度も練習すれば動くかもしれない』。『どうせ暇なんだ。ダメでもともと』と何度も何度も繰り返した。
 右手を添えて左手にグパをさせることも続けた。

 イメージトレーニングと運動療法の併用である。

 数日すると、指先が少し動く気がした。娘や妻が来院したとき、自慢げに言いました。「手を見て、指が少し動く」。「すごい。手が使えるようになるね」。

 ナースにも回診の担当医にも言いました。実は、殆ど動いていないのですが、私は微かに動くように感じるのです。動くようになる前兆のように感じました。
 ナースも医師も動きを否定せずに「動くように頑張ってください」と励ましてくれました。

 その後はリハビリ病院で麻痺手の訓練のみを行い、少しずつ動くようになりました。
 倒れてから4ヵ月半でリハビリ病院を退院するころには、指は少し曲がり、指で顎が触れるまでに回復して「補助」として使える迄に回復した。


 実は、リハビリ病院に転院して間もないころ、「右手だけの片手動作を訓練すればン地上生活で出来ることが増えます」と言われた。
 でも、「それでは左手が動くようにならないから左手の訓練だけをお願します」と言いました。

 この時、療法士の言うことを聞いて「右手だけの片手動作」を練習していれば麻痺手の回復はなかったでしょう。怖いことです。


 訓練室では療法士の指導で麻痺手の訓練をする。病室では両手を使う自主訓練を続けた。
 膝の上で両手指を組む。両手を広げて合わせる。拍手をする。ペットボトルの蓋を開ける。ハンドタオルを丸めて両手で絞る。「両手を使う療法」の実践だ。

 退院後も両手を使い続けることで、さらに半年後には麻痺が残りますが殆どのことが両手で出来るようになったのです。

 両手を使うのは偉大なる挑戦だと思います。

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