「動け」と念じて麻痺手を動かすBMIを使用したリハビリと私

 BMIとはブレイン・マシン・インターフェイスのことで、ブレイン(脳)とマシン(機器)をインターフェイス(情報の遣り取りを仲介)する技術または装置です。脳波を検知する機器と痲痺手に装着した指を動かす機器の間に立って、手を強制的に動かしたり、手の動きを脳に伝える装置です。人間で言えば、例えば、脳と手足を動かす筋肉の遣り取りやりとりを仲介する脳内の『運動機能アプリケーション』に相当します。

 例えば、左の手指を握ろうとすると、脳が手指を握る筋肉に指令を出します。この指令が脳から脊髄を経て肩・肘を経由して手指の筋肉を動かして手を握ります。ところが、右脳梗塞や右脳内出血などになると、左の手指を握ろうとしても、脳が手指を握る筋肉に指令を出すことが出来なくなっている。

 これは手足を動かす『運動機能アプリケーション』が病気で壊れて無くなったからなのです。しかしこのアプリケーションが壊れても、左手を動かしたいという意志を持つことは可能です。この意志を手指の筋肉に伝達するアプリケーションの変わりにBMIを利用するのです。そして手を動かそうと思う意志通りに機器が左手指を強制的に動かすことが出来れば手指を思いのままに動かすことが出来るようになります。

 この動作を繰り返すことで、手指の動きが脳に伝えられて、壊れたアプリケーションの変わりに、傷害した脳の一部とは別の場所に新たに運動機能のアプリケーションが作られる。そして、ついにBMIと機器がなくても元のように動かせるようになる。こうした考えに基づいた製品が完成すると新しいリハビリとなります。しかも発症からの年数に関係なく使用できる可能性があります。

 さて、手指を動かそうと思うとBMIIを経由して機器が痲痺の手指を強制的に動かす。これを繰り返すことで、脳に手指を動かす新しいアプリケーションが出来上がるのである。しかし、BMIの変わりに自分の動く方の手を使えば良いと言うのが私の考えです。

 私の左手が痲痺したとき、左手を腿の上に置いて見つめました。人差し指を動かそうと念じましたが、動きません。指を見つめ、人差し指に「動け」と念じながら右手を使って曲げ伸ばししたのです。この「念じて右手で痲痺の左手指を動かす一連の行為」はBMIと危機を使用した場合と同じだと思います。私はこの方法で痲痺手の指を一本一本訓練しました。そして遂に自分の意志で僅かに動かすことが出来るようになったのです。後は、痲痺手を自力で動かす努力を続けた。

 通常の運動療法でも、単に動かすだけではなく、何をどう動かすのかも同時に脳に伝えるべきだと考えている。また、ある意味ではイメージトレーニングと運動療法の併用が効果的なのかも知れません。

画像



この記事へのコメント