麻痺手が回復しないのは手の動きが複雑だから

 このような言葉を耳にしますが本当ですか。だとすれば、装具や杖を使ってでも歩けるようになる人が多いのは足の動きが複雑では無いからですか。確かに手の動きは足の動きよりも複雑です。しかし、複雑だから回復し難い・回復しないと言い切れるかどうか、疑問に思う。それは、足の動きも実は複雑だからです。例えば、裸足で両足を揃えて真っ直ぐに立つとしましょう。足は何も動いていないように思えますが、実は細かく動いていますね。目に見えないほどの微妙な動きで身体が倒れないように、真っ直ぐ立っていられるようにしています。「手の動きは複雑だから回復しにくい」などは治療側の逃げ口上だと言えば言い過ぎでしょうか。

 「訓練しても改善・回復に時間が掛かる」ので、効果が認められません。それよりも「ADL向上のためには麻痺のない手の訓練が必要である」との理由で麻痺手のリハビリを放置して片手動作の訓練をしている。実際にADLも向上しますから、効果が有りと判断される。このことは置くとしましょう。しかし、手のリハビリをしないで、動くようになるはずがありません。脳に可塑性があるのは、脳神経医療でもリハビリ医療でも今や常識です。にも拘らず、どうしてアプローチを変えないのでしょうか。

 足は2本無ければ歩けませんが、手は片手で出来る事ことが多い。このこともアプローチに間違いがあると思います。普通の人は、一日に身振り手振りも入れると2000回は両手を動かしているそうです。だから片手動作ではなく、出来るだけ麻痺の手を使うのが良い筈です。自力で動かなければ麻痺のない手で介助してでも。

自宅で出来る無理のない簡単なリハビリがあります。
両手を広げて膝の上に置く。
麻痺手を麻痺に無い手で押さえる。
膝の上で両手指を組む。
組んだ両手を前に伸ばす。
伸ばして左右に動かす。
両手を合わせる。
軽く拍手する。
両手で水を掬う。
両手を見ながら同時にグパをする等です。
簡単な動作で良いのです。
自分で考えて動かしましょう。




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